日本東方医学会 学術大会
第34回 日本東方医学会 学術大会 開催報告
-メインテーマ「伝統医療と現代医療の融合」-
一般財団法人東方医療振興財団(上馬塲和夫理事長)主催、厚生労働省・日本医師会後援の第34回日本東方医学会が、2017年2月26日(日)(午前9時30分〜午後5時)、お茶の水ソラシティーカンファレンスセンター(東京・神田駿河台)で開催され、140名余りの医師・薬剤師・看護師・鍼灸師・柔道整復師・療術師・医療従事者などが参集した。会頭は高橋博樹氏(東銀座タカハシクリニック院長)が務めた。
健康志向の広がりとともに統合医療への関心が一段と高まりを見せる近年、メインテーマに掲げられた「伝統医療と現代医療の統合」という課題にどう向き合い、どんな答えを見出すかが将来の医療を左右するとの認識から、プログラムは多岐にわたり13題、登壇者は23人を数え、問題意識を共有する熱心な参加者を交えて会は充実したものとなった。
特に今回初めてプログラムに加えられたランチョンセミナーは、電気と光線による診断と治療に係わる専門的な内容が平易に紹介されて会場の関心を集めた。また、講演終了後に隣室で開かれた懇親会では分野の枠を超えて和やかに意見交換が行われ、交流の広がりと深まりに役立った。
https://www.jptoho.or.jp/gakkai/meeting/405-34-3.html#sigProIddfef978083
〔プログラム構成〕
●会頭講演「谷美智士先生の融合診療について」
演者:高橋博樹(東銀座タカハシクリニック院長)
司会:上馬塲和夫((一財)東方医療振興財団理事長、帝京平成大学ヒューマンケア学部教授)
●教育講演」副作用後遺症のないがん治療―難病の原因を探る」
演者:前田華郎(アドバンス・クリニック横浜院長・医学博士、癌活性消滅療法(CEAT)学会理事長)
司会:高橋博樹(東銀座タカハシクリニック院長)
●シンポジウム「テーマ:伝統医療と現代医療による融合診療」
シンポジスト:高橋徳(統合医療クリニック徳院長、ウィスコンシン医科大学教授)
今津嘉宏(芝大門いまづクリニック院長)
高橋芳樹(伸和製薬株式会社、薬学博士・薬剤師)
津田篤太郎(聖路加国際病院リウマチ膠原病センター副医長)
司会:長瀬眞彦(日本胎盤臨床医学会理事長、吉祥寺中医クリニック院長)
川嶋朗(東京有明医療大学教授、(一財)東洋医学研究所付属クリニック)
●一般口演(口演数:8題)
演題Ⅰ座長:形井 秀一(筑波技術大学保健科学部保健学科教授、大学院教授兼務)
赤羽 峰明(あか羽鍼灸院院長)
①熱通計を用いた痛みの計測と除痛効果測定の研究
演者:福本 一朗(長岡市小国診療所)
②筋レオメーターを用いた鍼置鍼群・鍼手技群による筋緊張緩和の測定
演者:佐々木 和郎(鈴鹿医療科学大学保健衛生学部鍼灸学科)
③大学における鍼灸師教育の現状について
演者:福世 泰史(常葉大学健康プロデュース学部健康鍼灸学科)
演題Ⅱ座長:山口 トキコ(マリーゴールドクリニック院長)
竹野 良平(社団医療法人石心会 埼玉石心会病院)
④漢方エキス剤単独治療にて尿管癌の長期寛解(6年間)を得ている1例
演者:長瀬 眞彦(吉祥寺中医クリニック)
⑤生薬修治を抗酸化力から考える
演者:高橋 薫(タカハシクリニック)
⑥湯液と鍼灸の統合
演者:平井 萌絵(日本統合治療協会)
演題Ⅲ座長:山本 竜隆(朝霧高原診療所院長)
鈴木 弘祐(鈴木整形外科院長)
⑦椎骨静脈叢と瘀血の病態の関連
演者:上馬塲 和夫(帝京平成大学ヒューマンケア学部)
⑧患者が参加する統合医療のためのツボと経絡のアプローチ ─はり・灸・かっさ・気功─
演者:齋藤 隆裕(中医臨床センター センター長・鍼灸らせん堂院長)
●ランチョンセミナー
①画期的診断システム─エステック・メタトロン─について
スピーカー:瀬戸山 忠人(株式会社すかい21代表)
司会:高橋 博樹(東銀座タカハシクリニック院長)
②可視総合光線療法とは──自己治癒力を引き出す「光」の力
スピーカー:原山建郎(健康ジャーナリスト)
司会:上馬塲 和夫(帝京平成大学ヒューマンケア学部教授)