日本東方医学会について
【日本東方医学会の成り立ち】
日本東方医学会は、1973年(昭和48年)に、間中喜雄医師の主催した「医師のための鍼灸セミナー」という80時間の鍼灸研修講座から始まりました。その後、そのセミナー受講者を中心に「MSA会(Medical Study of Acupuncture)」と名前を変えて活動を継続し、さらにその後、湯液その他にも学びを広げようということで「医師東洋医学研究会」と名前を変え、中国から中医師の先生方を招聘したセミナーなどを行い、資格の業務範囲の問題と規模の問題などから「日本歯科東洋医学会」と2つに発展的に分かれる形で、1983年(昭和58年)に、間中喜雄先生を会長として日本東方医学会となりました。
* MSA会 会報誌『Acu-jounai』*
No.1 1976.2.15 / No.4 1978.3.25 / No.5 1978.12.29 / No.6 1978
【現在の活動】
現在では、中国医学、韓国医学、日本漢方等のアジア伝統医学、アーユルヴェーダ医学に代表されるインド伝統医学、ユナニ医学に代表されるアラビア伝統医学をベースに発展してきた東方医学(Eastern Medicine)と現代西洋医学(Western Medicine)との交流を図ることを目的として、通常の学術研究の場を提供する他に、学会において「是」と認識された治療や研究の社会への実際の応用や、今まで十分な教育や研修がなされていないこの分野の医師や医療従事者への教育や情報の伝達を任務とする東方医療振興財団の活動を学術・指導の面でサポートすることであり、学会誌「東方医学」や中国中西医結合学会誌の日本語版「中西医結合」の発行をはじめ、以下の事業を行っています。
- 学術大会 (年1回)の開催
- セミナー開催
- 学術情報誌「東方医学」(1983年発刊)の発行
- 「中西医結合」(1990年発刊)の発行(休刊中)
- 難治疾患の治療実証
- (一財)東方医療振興財団への学術情報の提供とその普及
- 医師・医療従事者の学会から、一般市民も参加する学会へ
本学会の会員は実地医家の割合が多く、難治性疾患、中でも癌、膠原病、エイズなどの治療実証に重点的に取り組んでいます。近年では、中国伝統医学、日本伝統医学をはじめとする東方医学の有効性を現代科学的に実証しようという動きがありますが、「気」の働きを含めた有効性の実証は、現代の科学では難しいという認識のもとに、現代西洋医学では難治のこれらの疾病の病症の改善や治癒を実証することによって、有用性を明確にしようと試みています。もちろん、それはたまたま治癒したという症例報告的なものではなく、明らかに一定の確率でもって実証される治療でなければならないことは云うまでもありません。実地医家の使命は第一に患者の病症の改善を図ることであり、有効性の現代科学的な裏付けは、それ以後に可能な範囲で明らかにされることを強く期待するものであります。
■歴代・日本東方医学会会長
初代 間中喜雄先生(1983年~)
2代目 谷美智士先生(1989年~2009年1月)
3代目 広瀬滋之先生(2009年2月~2010年7月)
4代目 上馬塲和夫先生(2010年8月~2019年5月)
5代目 長瀬眞彦先生(2019年6月~現在)